【EC事業者】商品画像の代替テキストをAIで作る方法

ECサイトの商品画像の代替テキストは、商品写真と確認済みの仕様資料をAIに渡し、画像ごとの特徴を短い文章に整理したうえで、人が確認する方法で作成できます。

商品数が増えると、商品画像ごとに代替テキストを考える作業が負担になりやすくなります。一方で、商品名を繰り返すだけの説明や、画像に写っていない特徴を加えた説明では、商品の情報を正確に伝えられません。

代替テキストは、画像を見ることが難しい人にも商品の特徴を伝えるための情報です。検索エンジンが画像の内容を理解する手掛かりにもなりますが、SEOだけを目的に作るものではありません。

この記事では、EC事業者が商品画像の代替テキストをAIで作る手順、画像別の書き分け、プロンプト例、確認チェックリストを紹介します。商品登録や画像更新の作業を標準化したいEC担当者に役立つ内容です。

この記事のポイント

  • 代替テキストは、画像の内容とページ内での役割に合わせて作成する
  • AIには商品画像と確認済みの商品情報を渡し、推測による説明を防ぐ
  • 正面、側面、拡大画像などは、それぞれ異なる特徴を説明する
  • 装飾画像や操作用画像は、商品写真とは異なるルールで扱う
  • AIの文章は下書きとして使い、担当者が画像と元資料を照合する
EC担当者が商品画像と商品仕様資料を並べて特徴を確認する様子
商品画像と仕様資料を確認し、代替テキストに必要な情報を整理する。

商品画像の代替テキストとは

商品画像の代替テキストとは、画像が伝える情報を文章で表したものです。HTMLでは画像のalt属性に記載します。画像を見られない場合に内容を補足する役割があり、ECサイトでは商品の形状や色、仕様を理解する助けになります。

alt属性の役割

代替テキストは、スクリーンリーダーと呼ばれる画面読み上げソフトなどを利用する人に、画像の情報を伝えるために使われます。また、画像が正常に読み込まれない場合にも代わりの情報になります。

Googleの画像検索でも、alt属性は画像の内容を把握するための情報の一つです。ただし、検索順位や売上の向上を保証するものではなく、まずは利用者に役立つ正確な説明を優先する必要があります。

商品名を入力するだけでは不十分な場合がある

例えば、一つの商品に正面、側面、背面、素材の拡大写真が登録されているケースを考えます。すべての画像に同じ商品名だけを設定すると、それぞれの写真が何を伝えているのか分からなくなります。

側面写真なら厚みや形状、拡大写真なら素材の表面や部品など、写真ごとの特徴を伝える方が適切です。ただし、隣接する商品情報との重複や、画像の目的も考慮して記述を判断します。

実務上の判断基準:その画像が表示されなかった場合に、商品を理解するために何を伝える必要があるかを考えると、代替テキストに含める内容を決めやすくなります。

商品画像の種類別・代替テキストの書き方

ECサイトの画像は、商品全体を見せる写真だけではありません。詳細写真、利用場面、図表、装飾画像など、目的によって適切な代替テキストは異なります。AIに一律の説明を作らせる前に、画像の役割を分類することが重要です。

画像の役割に合わせて説明する

以下は、架空のネイビーの帆布トートバッグを使ったモデルケースです。実際の商品画像に応じて、記述する特徴を調整する必要があります。

商品画像の種類別・代替テキストの例
画像の種類 伝える情報 代替テキストの例
メイン画像 商品の全体像、色、基本形状 正面から見たネイビーの帆布トートバッグ
側面画像 厚み、奥行き、側面の形状 マチのあるネイビーの帆布トートバッグの側面
拡大画像 素材の表面、縫製、部品 帆布トートバッグの持ち手と縫製部分の拡大
使用イメージ 使用時の様子、身に着けた状態 ネイビーのトートバッグを肩に掛けて歩く人物
説明図 図が示す仕様や関係 トートバッグの幅と高さの測定位置を示す図

このように、同じ商品であっても写真ごとに必要な説明は変わります。サイズや素材などの詳細情報は、画像から確認できる内容と商品仕様として確定している内容を区別し、掲載目的に応じて記載します。

装飾画像や操作用画像では書き方が異なる

画像の役割によっては、商品写真と同じ説明方法が適切ではありません。

  • 装飾目的の画像:本文に新しい情報を加えない画像であれば、alt属性を空文字にする方法があります。
  • 画像だけのリンク:商品の詳細ページへ移動する画像などでは、リンク先や操作目的が伝わる説明が必要です。
  • 画像内の文字:重要な情報が画像の中だけにある場合は、その情報をテキストでも伝える必要があります。
  • 複雑な図表:短い代替テキストだけでは不十分な場合、本文などに詳しい説明を追加します。

注意:すべての画像に説明文を入れる必要があるとは限りません。alt属性を省略することと、alt属性を空文字にすることは異なります。装飾画像として扱う場合は、画像の役割を確認したうえで空のalt属性を設定します。

AIで作成する前に整理したい情報

AIを使って代替テキストを作る場合、商品画像だけでなく、確認済みの商品情報と画像の掲載目的を整理しておくことが重要です。画像の内容をAIが推測しすぎると、実際の商品とは異なる説明が生まれる可能性があります。

商品画像と確定情報を分けて準備する

入力する情報は、画像から直接確認できる特徴と、社内資料で確認済みの商品仕様に分けます。商品の色、素材、サイズ、型番などは、推測で確定させないことが基本です。

AIに渡す情報の整理例
項目 準備する情報 確認時の注意点
商品名 商品登録に使用する正式名称 商品マスターと一致しているか
商品画像 正面・側面・詳細などの対象画像 画像と商品が正しく対応しているか
画像の用途 メイン画像、詳細画像、使用例など ページ内で果たす役割が明確か
確定仕様 色、素材、サイズ、形状、付属品 最新版の資料で確認されているか
禁止する表現 推測、誇張、未確認の性能説明 根拠のない表現が混入しないか

公開前の商品情報や画像の入力ルールを決める

生成AIサービスへ画像や資料を渡す場合は、社内の情報管理ルールを確認します。未発売商品の画像、取引先から預かった資料、第三者の権利が関係する写真などは、利用を許可された範囲で扱う必要があります。

商品写真の中に顧客情報や社内管理情報が含まれている場合も注意が必要です。入力する範囲を限定し、利用するAIツールの契約条件やデータの取り扱いを確認してから作業します。

商品画像の代替テキストをAIで作る手順

商品画像の代替テキストは、対象画像の選定、AIへの入力、文章の生成、元資料との照合という流れで作成できます。最初から大量の画像を処理するのではなく、代表的な商品画像を使って作成ルールを確認する進め方が適しています。

  1. 対象の商品画像を選ぶ

    メイン画像、側面画像、拡大画像など、役割の異なる画像を選びます。商品IDや画像の並び順も整理し、別商品の写真と混同しないようにします。

  2. 商品情報と画像の用途を入力する

    正式な商品名、確認済みの仕様、画像の用途を整理します。画像を確認できるAIを利用する場合は対象画像を入力し、利用できない場合は担当者が確認した画像の特徴を文章で渡します。

  3. AIに代替テキストの候補を作らせる

    画像に写る特徴を中心に、短く具体的な説明を作るよう指示します。画像にない性能や仕様を補わないこと、過度なキーワードの繰り返しを避けることも明示します。

  4. 画像と元資料を照合する

    商品画像、商品マスター、仕様資料を確認し、AIの説明に誤りや推測がないか調べます。画像の目的と文章の内容が一致しているかも判断します。

  5. ECサイトに登録して表示を確認する

    最終的な代替テキストを商品画像へ設定します。公開後に画像との対応関係や出力されたHTMLを確認し、必要に応じて修正します。

そのまま応用できるAIプロンプト例

以下は、商品の仕様が確認されている場合に使う指示文のモデルケースです。業務で使用する際は、対象商品の情報と利用環境に合わせて調整してください。

コピーして使えるプロンプトのモデルケース

あなたはECサイトの商品登録担当者です。

添付した商品画像について、ECサイトで使用する代替テキストの候補を作成してください。

【目的】
画像を見られない利用者にも、画像が伝える商品情報を分かりやすく説明することです。

【確認済みの商品情報】
商品名:帆布トートバッグ
色:ネイビー
商品カテゴリ:バッグ

【作成ルール】
1. 画像に実際に写っている特徴を優先する
2. 商品名、色、形状など必要な情報を簡潔に記述する
3. 画像ごとに異なる特徴を説明する
4. 確認できない素材、サイズ、性能、付属品を推測しない
5. 宣伝文句や過度なSEOキーワードを入れない
6. 画像の役割から説明が不要と思われる場合は理由を示す
7. 判断できない内容は要確認として記載する

【出力項目】
・画像の種類
・代替テキスト候補
・判断した画像上の特徴
・確認が必要な事項

候補は担当者が確認するための下書きとして作成してください。

AIの出力例

同じトートバッグの画像を使った場合でも、写真ごとに説明する内容は変わります。以下は架空の商品画像を想定した出力例です。

商品画像別のAI出力例(モデルケース)
対象画像 代替テキスト候補 担当者の確認内容
正面写真 正面から見たネイビーの帆布トートバッグ 色、形状、商品名の一致
側面写真 マチのあるネイビーの帆布トートバッグの側面 マチが画像で確認できるか
持ち手の拡大 帆布トートバッグの持ち手と縫製部分の拡大 写っている部分が説明と一致するか

AIの候補は、そのまま公開する前提ではありません。画像の掲載場所や周囲の商品説明を確認したうえで、必要な情報だけが伝わる文章に整えます。

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AIの出力を確認するポイントと失敗例

AIで代替テキストを作成しても、画像認識や文章生成が常に正確とは限りません。特に商品画像では、色、素材、仕様、形状などの小さな違いが購入者の理解に影響するため、元資料との照合が重要です。

よくある失敗例と対策

AIによる代替テキスト作成の失敗例
失敗例 問題点 対策
画像にない特徴を追加 防水性や素材などを推測して記述する 画像と確認済み仕様以外を根拠にしない
複数画像で同じ文章を使用 写真ごとの違いが伝わらない 画像別の特徴を確認する
キーワードを詰め込む 説明が不自然になり、利用者に伝わりにくい 画像の内容を自然な文章で表現する
説明が長すぎる 画像の主な情報が分かりにくくなる 必要な特徴を優先して簡潔にまとめる
装飾画像も一律に説明 意味のない読み上げが増える 画像の役割を分類する
商品画像と説明文が不一致 別商品の情報を伝えてしまう 商品IDと画像の対応を確認する

人が確認するチェックリスト

AIが出力した候補を採用する前に、次の項目を確認すると、作成者による品質のばらつきを抑えやすくなります。

  • 商品画像と代替テキストが同じ商品を指している
  • 色や形状などの記述が写真と一致している
  • 商品名や仕様が最新の商品マスターと一致している
  • 画像に写っていない特徴を推測していない
  • 写真ごとの役割に合わせた説明になっている
  • 不自然なキーワードの繰り返しがない
  • 装飾画像やリンク画像の役割を適切に判断している
  • 周囲の文章と不必要に重複していない
  • 必要な情報が短く分かりやすく伝わる

AIの説明と実際の商品情報を照合する

商品画像をAIに読み込ませた場合でも、画像の細部を正確に認識できないことがあります。例えば、素材の違い、似た色の判別、小さな部品の有無などは、人による確認が必要です。

また、画像から確認できない性能や機能について、AIが一般的な商品知識を使って説明してしまう可能性もあります。確認できない内容は、公開する代替テキストに含めないか、社内の確定資料に戻って確認します。

AIと担当者の役割分担:AIは画像説明の候補作成と文章の整理を担当し、EC担当者は商品情報の正確性と画像の掲載目的を確認します。最終的な公開判断は担当者が行う運用にすると、修正理由も共有しやすくなります。

EC担当者がAIの代替テキスト案と商品画像や仕様資料を照合する様子
AIが作成した代替テキストを商品画像と元資料に照合して確認する。

ECサイトで継続運用するためのルール

商品画像の代替テキストを継続的に整備するには、作成方法だけでなく、登録担当者、確認担当者、更新タイミングを決める必要があります。商品数が多い場合ほど、AIのプロンプトと確認ルールを共通化することが重要です。

商品登録の流れに確認工程を組み込む

代替テキストを別の作業として後回しにすると、画像の追加や差し替え時に更新を忘れやすくなります。そのため、商品登録や商品ページ更新の工程に含める方法が考えられます。

  1. 商品画像と仕様資料を準備する

    商品登録担当者が、公開対象の画像と最新の商品情報を確認します。

  2. AIで代替テキストの候補を作成する

    共通プロンプトを使用し、画像ごとの特徴を整理します。

  3. 公開担当者が内容を確認する

    商品情報との一致、推測表現、画像の役割を確認して修正します。

  4. ECサイトへ登録して公開状態を確認する

    代替テキストが対象画像へ反映されているかを確認します。画像を差し替えた場合は再確認します。

更新対象を管理する一覧表を作る

商品点数が多い場合は、画像ごとの確認状況を一覧化すると管理しやすくなります。以下のような項目を商品管理表に追加する方法があります。

代替テキスト管理表の項目例
管理項目 記録内容
商品ID 商品を識別する管理番号
画像ID・種類 正面、側面、詳細などの区分
代替テキスト 登録済みの文章
確認状況 未作成、確認中、承認済みなど
担当者 作成・確認の責任者
最終更新日 画像や文章の更新日

WordPressやShopifyでの設定時の注意点

WordPressでは、画像ブロックやメディアの設定から代替テキストを管理できます。ただし、メディアライブラリで設定する情報と、特定の投稿で使用する画像のalt属性は、設定箇所によって適用範囲が異なる場合があります。

Shopifyでは、商品に登録されたメディアごとに代替テキストを設定できます。実際の操作方法は管理画面の更新やテーマ構成によって変わる可能性があるため、利用中の環境で確認してください。

どちらの場合も、同じ写真を異なる場所で使う際には、画像の役割に合う説明になっているかを確認することが重要です。

画像更新時の見落としに注意:商品画像だけを差し替え、以前の代替テキストが残っていると、写真と説明文が一致しなくなることがあります。画像の差し替えは、代替テキストの再確認が必要な更新として扱うことをおすすめします。

商品画像の代替テキストに関するよくある質問

商品画像の代替テキストをAIで作成・管理する際によくある疑問を整理します。

商品画像の代替テキストはすべてAIで自動作成してもよいですか?
A

AIに候補を作成させることはできますが、公開前の確認は必要です。画像の認識違いや、確認できない商品仕様の推測が含まれる可能性があります。特に商品情報に関する説明は、画像と元資料に照合してから採用します。

代替テキストには商品名を必ず入れる必要がありますか?
A

すべての画像に商品名を繰り返す必要はありません。商品画像の内容や周囲の文章、画像の用途に応じて判断します。商品を識別するために必要な場合は商品名を含め、詳細写真ではその部分の特徴を優先する方法があります。

代替テキストは何文字で作成するのが適切ですか?
A

すべての画像に共通する固定の文字数を目標にする必要はありません。画像の役割に応じて、必要な特徴が簡潔に伝わる長さを優先します。使用するECプラットフォームに入力文字数の制限や推奨値がある場合は、その仕様も確認してください。

画像SEOのために検索キーワードを多く入れた方がよいですか?
A

キーワードを不自然に詰め込むことは適切ではありません。代替テキストは画像の内容を伝えるためのものであり、商品名や特徴など必要な言葉を自然に使います。SEOだけを目的に同じ語句を繰り返すことは避けます。

装飾画像にも代替テキストを設定した方がよいですか?
A

装飾だけを目的とし、利用者に追加の情報を伝えない画像であれば、空のalt属性を使う方法があります。ただし、重要な情報やリンク先を伝える役割を持つ画像では、用途に応じた説明が必要です。

商品数が多い場合、どこから改善すればよいですか?
A

まずは新規登録商品や、代替テキストが未設定の主要な商品画像から始める方法があります。少数の商品でプロンプトと確認手順を試し、問題がないことを確認してから対象を広げると、運用ルールを整えやすくなります。

まとめ

ECサイトの商品画像の代替テキストをAIで作成する際は、画像の特徴を文章にするだけでなく、利用者に何を伝えるべきかを整理することが重要です。AIによる下書き作成と人による確認を組み合わせることで、日常の商品登録業務へ取り入れやすくなります。

  • まず商品画像を種類と用途で分類する
  • 商品画像と確認済みの仕様資料を準備する
  • 共通プロンプトで代替テキストの候補を作る
  • 画像に写る特徴とAIの文章を照合する
  • 商品登録や画像更新の工程に確認ルールを組み込む

最初からすべての画像をAIで処理する必要はありません。新規商品や更新頻度の高い商品を選び、作成から確認までの流れを試すことが現実的です。

運用を始めた後も、画像の追加や商品仕様の変更に合わせて代替テキストを見直し、利用者に正確な情報が伝わる状態を維持することが大切です。

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