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Teamsの監査ログで何がわかる?情シス向けユーザー操作の確認方法

2026.09.18

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「重要なチームが突然消えたが、誰が削除したかわからない」「退職予定者が機密ファイルを大量にダウンロードしている疑いがある」。
トラブルが発生した際、ユーザーの証言だけに頼るのは危険です。確固たる証拠となるのが“Microsoft 365の監査ログ”です。

この記事では、Teamsにおける監査ログの仕組み・情シスが確認できる具体的な操作内容・いざという時のログ抽出手順を、現場のインシデント調査で直ちに使える形で整理しました。

結論:Teamsの監査ログは「Microsoft Purview」で確認する

Teamsで「誰が・いつ・何をしたか」を調べる場合、Teams管理センターを開いても詳細な履歴はわかりません。

  • 原則1:確認場所は「Microsoft Purview コンプライアンスポータル」の「監査」メニュー
  • 原則2:Teams単体ではなく、M365全体(SharePointやEntra ID含む)の統合ログとして追跡する
  • 原則3:デフォルトの保持期間は180日(※ライセンスにより異なる)
  • 原則4:出力されるログはCSV形式だが、詳細データはJSON形式で記録されている

つまり、Teamsの監査ログ調査は「Purviewで適切な条件を指定して検索し、抽出したデータを読み解く作業」となります。

Teams監査ログとは?

Teams監査ログは、Microsoft 365の統合監査ログ(Unified Audit Log)の一部として記録される「ユーザーと管理者の操作履歴」です。
チームの作成・削除、メンバーの追加、設定変更といったTeams固有のアクティビティはもちろん、Teams上で共有されたファイルに対する操作(ダウンロードや削除)も、バックエンドであるSharePoint/OneDriveのログとして統合的に記録されます。

ポイント:
監査ログが記録するのは「操作の事実(イベント)」です。チャットの“本文”や通話の“音声データ”が記録されるわけではありません。(本文の調査には電子情報開示を使用します)

なぜ監査ログが必要か(情シスでよくある“詰み”)

ログの取り方を知らないと起こるトラブル

  • 「誤ってチームを消した」と連絡が来たが、誰の操作か証明できず再発防止策が打てない
  • 外部ゲストが不正にファイルをダウンロードした疑惑があるが、推測の域を出ない
  • 管理者が意図せず全体設定を変更してしまい、いつ・どの設定を変えたか戻せなくなる
  • 問題発生から半年以上経過して調査を依頼されたが、ログの保存期限が切れていて「何もわかりません」と回答するしかない

証拠がなければ、情シスはユーザー同士の言った言わないのトラブルに巻き込まれます。客観的なシステムログをいつでも出せる体制が情シスを守ります。

よくある誤解の整理

よくある誤解(情シスとユーザーの認識ギャップ)

  • 「Teams管理センターを見れば誰が消したかわかる」→ ❌(管理センターには詳細ログはありません。Purviewを使います)
  • 「ログはずっと残っているから数年前の調査も可能」→ ❌(標準ライセンスでは180日で消えます)
  • 「監査ログを見れば、ユーザーがチャットで悪口を書いたかわかる」→ ❌(メッセージを送信した事実はわかりますが、内容はログに載りません)
  • 「退職者のアカウントを消したらログも消える」→ ❌(アカウントを消しても、そのユーザーが過去に行った操作ログは期間内であれば検索可能です)

監査ログは万能ではなく、「何のアクティビティを、いつまで追跡できるか」を正しく把握しておく必要があります。

情シスが監査ログで確認できる具体的な操作(4分類)

① チーム・チャネルのライフサイクル

  • チームの作成 / 削除(Deleted team)
  • チャネルの追加 / 削除 / 復元
  • チームの設定変更(ゲスト許可の変更など)

② ユーザーと権限の管理

  • チームへのメンバー追加 / 削除(Added member / Removed member)
  • ロール(所有者・メンバー)の変更
  • 外部ゲストの招待と承諾

③ ファイルとデータ操作(※SharePointログとして検索)

  • ファイルのアップロード / ダウンロード(Downloaded file)
  • ファイルの削除 / 復元(Deleted file)
  • 外部への共有リンクの作成とアクセス

④ アプリと会議のアクティビティ

  • Teamsへのサードパーティアプリのインストール
  • ボットの追加

ライセンス別 ログ保持期間の違い(比較表)

インシデント発覚時に「ログが消えていた」という事態を防ぐため、自社のライセンスと保持期間を把握することが重要です。

監査バージョン 主な対象ライセンス ログ保持期間 特徴
Audit (Standard) Microsoft 365 E3 / Business Premium など 180日(約6ヶ月) 標準で有効。半年以上前の調査は不可。
Audit (Premium) Microsoft 365 E5 / E5 Compliance など 1年(追加設定で最長10年可能) より高度な監査イベント(メールアクセス等)も記録可能。

セキュリティインシデントと監査ログ活用(情シス向け対応表)

「何が起きたか」に対して「どのログを検索すべきか」の対応表です。

発生したトラブル・疑惑 検索すべきアクティビティ(Purview上) 情シスが調査するポイント
チームが消滅した(誰が消したか特定したい) Microsoft Teams アクティビティ
Deleted team
操作したユーザーアカウントと発生日時を特定
退職者が機密データを持ち出していないか ファイルとページのアクティビティ
Downloaded file
特定のユーザーを指定し、短期間に大量のダウンロード記録がないか確認
見知らぬ外部ゲストが参加している Microsoft Teams アクティビティ
Added member
社内のどのユーザーが、いつそのゲストを招待・追加したか特定
野良アプリがインストールされた Microsoft Teams アクティビティ
Installed app
どのチームに何のサードパーティアプリが追加されたか確認

監査ログの検索・抽出フロー

実際に調査依頼が来た際、情シスが手を動かすステップです。

1. Purview コンプライアンスポータルへアクセスし、左メニューの「監査」を開く
2. 検索条件を入力(日付の範囲、調査対象のユーザー、アクティビティの種類)
3. 検索を実行(結果が表示されるまで数分〜数十分待機)
4. 「エクスポート」をクリックし、全結果をCSVファイルでダウンロード
5. ExcelでCSVを開き、"AuditData"列のJSONを解析して詳細(チームIDやファイル名など)を確認

重要:
抽出されたCSVのAuditData列はJSON形式で記述されており、そのままでは非常に読みづらいです。ExcelのPower Query機能や、PowerShellスクリプトを使って展開(パース)するスキルが求められます。

情シスの1日の運用例(インシデント調査対応)

例:「プロジェクトの重要ファイルが消えた」と現場からSOSがあった場合

  • 11:00:現場から「ファイルタブにあった資料が丸ごと消えた」と連絡を受領
  • 11:15:Purview監査を開き、対象チームのSharePointサイトURLとDeleted fileアクティビティを条件に検索開始
  • 11:45:検索完了。結果をCSV出力し、特定のメンバーが前日の夜に一括削除操作をした事実を確認
  • 13:00:対象メンバーの誤操作と断定。SharePointの第1段階ゴミ箱から対象ファイルを一括復元
  • 14:30:現場へ復旧完了を報告。同時にログの事実を共有し、今後の操作注意を促す

特徴:ログ調査は原因特定のためだけでなく、復旧作業をどこから(ゴミ箱か、バックアップか)どう行うかを判断する材料になります。

30日 監査ログ運用開始ロードマップ

インシデントが起きてから慌てないため、平時に監査ログの運用基盤を整えるステップです。

Day 1-7:監査の有効化確認(ごく稀に無効化されているテナントがあるため、Purviewで記録開始されているか確認)
Day 8-14:権限付与(情シス内の担当者に「監査ログ」検索ロールを付与)
Day 15-21:テスト検索の実施(自身のテスト操作がログにどう残るか、CSV出力とJSON解析の練習)
Day 22-30:調査手順書の作成(インシデント対応マニュアルに「監査ログの取得手順」を組み込む)

あなたの組織の監査ログ準備度チェック

トラブル時に「証拠を出せる」状態か確認しましょう。

  • 自社のM365ライセンスにおけるログの保持期間(180日か1年か)を正確に知っている
  • Microsoft Purviewへのアクセス権限を持つ管理者が社内に複数名いる
  • Teamsのファイル操作を調べる際は、SharePointのアクティビティを検索すべきだと理解している
  • CSV出力された監査ログの"AuditData"(JSON形式)をExcel等で読みやすく成形する手段を持っている

「いいえ」がある場合は、平時のうちに一度テスト検索とCSVの解析を体験しておくことを強くおすすめします。

管理に必要なスキルと設定知識

必須になりやすい領域

  • Microsoft Purview コンプライアンスポータルの操作
  • PowerShell(Search-UnifiedAuditLog コマンドレットを用いた大量ログの自動抽出)
  • Excel / Power Query(複雑なJSONデータを表形式に展開・フィルタリングするスキル)
  • M365のアーキテクチャ理解(Teamsの裏でSharePointやExchangeがどう動いているかの知識)

役立つ資格・関連機能

評価されやすいカテゴリ

  • SC-400(Microsoft Information Protection Administrator)
  • MS-102(Microsoft 365 Administrator)
  • アラートポリシー機能(Purview内で、特定の監査イベントが発生したら情シスにメール通知を飛ばす機能)

運用をどう始めるか?

監査ログは「見に行く」だけでは時間がかかります。まずは手動検索に慣れ、次に自動通知(アラート)を仕掛けるのが王道ルートです。

おすすめの順番(実務への定着ルート)

1. 「先週作成されたチーム一覧」など、簡単な条件で手動検索をしてみる
2. 出力したCSVをExcelのPower Queryでパース(展開)するマニュアルを作る
3. 重大な操作(チームの削除や、大量のファイルダウンロード)に対して「アラートポリシー」を設定する
4. アラートメールが情シスに届いたら、即座にログを確認する体制を組む

目指すべき運用体制

  • 事後調査(リアクティブ)だけでなく、アラート通知による事前検知(プロアクティブ)を組み合わせる
  • 「監視されている」というネガティブな印象ではなく、「不正から社員を守り、誤操作はすぐに直せる」という安心感として社内にアピールする
  • 監査ログの検索権限は強力なため、情シス内でも特定の管理者のみに最小特権で付与し、管理者の操作自体も監査対象とする

高度な情報ガバナンス(自動アラート)への展開

Purviewの監査ログを使いこなせるようになれば、より高度なセキュリティ監視(SOC)業務へステップアップできます。

  • 単なるログ検索 → Purviewのアラートポリシーによる異常検知の自動化
  • Microsoft Defender for Cloud Apps連携による、シャドーITや異常なログイン場所からのアクセスブロック
  • Microsoft Sentinel(SIEM)へM365監査ログを取り込み、社内の他ネットワーク機器ログと相関分析を行うゼロトラスト監視基盤の構築

よくある質問(FAQ)

監査ログは初期状態で有効になっていますか?

近年作成された多くのMicrosoft 365テナントではデフォルトで有効になっています。しかし、古いテナントの場合は無効のままになっていることがあるため、必ずPurviewで「ユーザーと管理者のアクティビティの記録を開始する」設定がオンになっているか確認してください。

監査ログを検索しても結果が出てきません。

操作が行われてから監査ログに検索結果として反映されるまで、通常30分〜最大24時間程度のタイムラグが発生します。直前の操作はすぐには表示されない点に注意してください。

チャットのメッセージ内容(テキスト)を監査ログで確認できますか?

監査ログでは「メッセージを送信した」「メッセージを編集した」というイベント(行為)のみが記録され、本文のテキストは記録されません。会話の内容を調査したい場合は、Purviewの「電子情報開示(eDiscovery)」を使用する必要があります。

まとめ

Teamsの監査ログは、情シスがインシデント(データの消失や不正持ち出し)の原因を客観的に特定するための最強の武器です。
成功の鍵は、問題が起きてから慌てるのではなく、「Purviewで検索できること」「ログには保持期間があること」「CSVの解析方法」を事前に習得しておくことにあります。

1. Teams管理センターではなく、Purview(統合監査ログ)で追跡する
2. Teams本体の操作と、SharePointのファイル操作を切り分けて検索条件を作る
3. 抽出したCSV(JSONデータ)を読み解き、確固たる証拠として復旧や報告に活かす

まずは“平時のうちに一度、自分のテスト操作をPurviewで検索してみる”ところから始めてみてください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。実際の設定にあたっては、組織のコンプライアンス要件やM365のライセンス状況に沿って設計・検証を行ってください。


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