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ソフトウェアサプライチェーンセキュリティエンジニアとは?業務内容や必要なスキルをわかりやすく解説

2025.12.04

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ソフトウェアサプライチェーンセキュリティエンジニアとは?

ソフトウェアサプライチェーンセキュリティエンジニアは、 ソフトウェアが開発されてから利用者に届くまでの一連の流れ(サプライチェーン)に潜むリスクを管理・防御する専門職 です。

近年、OSS(オープンソースソフトウェア)の活用やクラウドサービスの普及により、外部コンポーネントや依存関係を通じたセキュリティリスクが増大しています。

特に「Log4j脆弱性」や「npmパッケージの乗っ取り」などの事件は、ソフトウェアサプライチェーンの脆弱性が大きな脅威となることを示しました。

この分野のエンジニアは、開発プロセス全体にセキュリティを組み込み、 「信頼できるソフトウェアを安全に届ける仕組み」 を実現する役割を担います。

主な業務内容

 ・ソフトウェア部品表(SBOM: Software Bill of Materials)の作成・管理

 ・OSSライブラリや依存関係の脆弱性スキャン

 ・ソースコード署名やアーティファクト署名の導入

 ・セキュアなCI/CDパイプラインの設計(署名・検証・ポリシーチェック)

 ・依存関係の更新管理とセキュリティパッチ適用プロセスの改善

 ・侵入検知・サプライチェーン攻撃に対する監視・インシデント対応

求められるスキルや知識

技術スキル

 ・脆弱性スキャナや依存関係管理ツール(Snyk, Dependabot, Trivy など)

 ・SBOM関連ツール(CycloneDX, SPDX)

 ・CI/CDセキュリティ(GitHub Actions, GitLab CI, Jenkins, Tektonなどでの署名・検証)

 ・クラウドセキュリティ基盤(AWS, GCP, Azure)

 ・コンテナセキュリティ(Docker, Kubernetes, Sigstore, Cosign)

セキュリティ・規制の知識

 ・NIST SSDF(セキュアソフトウェア開発フレームワーク)

 ・SLSA(Supply-chain Levels for Software Artifacts)

 ・ISOや各国政府が進めるソフトウェアサプライチェーン規制

 ・セキュリティ標準(OWASP Top 10, CWE, CVE/CVSS)

コミュニケーション力

 ・開発チームにセキュリティ教育を行う力

 ・OSSコミュニティや外部ベンダーとの連携

 ・経営層へ「サプライチェーンリスクの重要性」を伝える力

向いている人物像

 ・セキュリティと開発の両面に興味がある人

 ・OSSや依存関係の最新動向を追うのが好きな人

 ・脆弱性情報をキャッチアップして改善につなげられる人

 ・プロセス改善や自動化に楽しさを感じる人

キャリアパス

 ・セキュリティエンジニア:幅広い領域でセキュリティを担当

 ・SRE/DevSecOpsエンジニア:運用とセキュリティを両立

 ・セキュリティアーキテクト:開発プロセス全体のセキュリティ設計を主導

 ・セキュリティコンサルタント:他社のサプライチェーンセキュリティ導入を支援

まとめ

ソフトウェアサプライチェーンセキュリティエンジニアは、 「開発スピード」と「安全性」を両立させるためのキーパーソン です。

ただ脆弱性を検知するだけではなく、

「どのように安全なソフトウェアを継続的に届けられるか」という仕組みを設計・改善する役割を担います。

今後、各国規制の強化やOSS活用の加速により、この分野のエンジニアはさらに需要が高まるでしょう。